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ここ室設計事務所の殺風景オフィスにも彩(いろどり)をそえる色鮮やかなベジ(植物)たちが加わりました。草花や緑の美しさを眼で感じて愛でる企画 「緑をメデメデるんです。」 第1弾は五月の花、その名も「サツキ」です。ツツジの仲間で旧暦の五月に咲き揃うので「サツキツツジ」とも言われるそうですが、そのへんにある植込みのサツキではないですよ、長い月日を経て育てられた「盆栽」なのです。 これは、いつもやさしい眼差しで温かく見守ってくださる人生の大先輩A師匠が、長年手塩にかけて育てた傑作であります。(実はもうすぐ花開くとのことだったのでお借りしてきました。) 盆栽-そこには宇宙が存在する- とかいわれます(?)が、まさに圧倒的な存在感です。苔に覆われた土は大地を表し、そこから生え出た木の幹はしっかりと大地を踏みしめ、育てた人の意図を汲み取るように細かい枝が絶妙なバランスで伸びています。その細かく生え揃った苔や繊細な枝ぶりを見ていると、まるで大木がそこに立っているかのような錯覚に陥りますが、そこに普通に花が咲くと、その花の大きさが強調されて不思議な感覚になります。 5月の中旬、ここに来たばかりの時はまだつぼみばかりだったのが、わずか2日で花が満開になりました。しかも驚いたことに同じ幹のはずが、白い花と赤い花を同時に咲かせています。中には同じ花びらの中で赤白の混合の花を咲かせているものもあります。 ロゼワインには赤と白を混ぜてつくるものもあるらしく、 「じゃあ、お家でも作れますね!」(by中野アナ) らしいのですが、これはそう簡単にはいきません。正真正銘同じ幹から出てる、こういう種類のサツキなんだそうです。その足元を良く見てみると、これも苔の一種なんでしょうか、大地からニョキニョキと緑ののぼりが立ち上がっています。これにもきれいな紫色の花が咲くそうです。 初めて本格的な盆栽を身近に感じていますが、師匠が長い時間をかけて「愛でた」ことがひしひしと伝わってきます。その形の美しさ、色の鮮やかさもさることながら、おもいっきり美しく花をつけいさぎよく花を落とす、そこには人生観を映し出しているようにも思えたり・・・なんて風情があるんでしょう! (数日後には葉っぱも落とされ、来シーズンに向けてしっかりとメンテナンスが施されていました。)