#建築設計
#設計
がんばれ日本⑨
『地震保険、はいってますか?』
やっぱり、このような未曾有の大災害があると、地震保険の大切さが身にしみて感じられます。相談や問い合わせも多くなってきました。今までは、保険料も高いし、地震の確率を考えればそこまで必要?っていう方が多く、あまり内容も広く知られてはいないようなので、少しまとめておこうと思います。
もともと地震保険というのは1964年新潟地震以降、田中角栄氏が中心となり起こした国の補償政策で、いまでも全体の補償額がある一定額を超えると国からも保険金が出る仕組みになっています。今回のように地震被害というのは大規模に発生するので、補償額も莫大に成ります。結果、総額が1150億を超えると、保険会社が破産することなく国の出番となるわけです。ちなみに今回の地震では1兆円近くになる見込みで、それでもまだ国家予算的には5.5兆円くらいまで余裕はあるようです。
そのような背景から、地震保険の保険料はどの保険会社のものでも同じ料金体系になるので、会社によって差がでることは無いんですね。しかし、その建物のある場所が地震が起きやすい所なのかどうかによって差が出てきます。たとえば木造住宅で1年あたりの保険料(1000万)は福岡だと10,000円に対し東京では31,300円と3倍以上も違ってきます。この差は大きい違いですね。しかし、割引制度というのもあって、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」の耐震等級で設計されていれば、その等級に応じて安くなるし、また長期契約(5年まで)すると割引になる制度などもあるようです。また、免震構造なども割引対象になります。
次に支払い金額について。被害にあったらその程度によって支払い金額が違ってきます。大まかにいうと、「全壊」は保険金の全額、「半壊」は50%、「一部損」は5%となっていて、全国統一の「地震保険損害認定基準」にそって専門家(建築士など)による調査により判定されます。(今回は被害規模が大きすぎて調査員不足が深刻なようです・・・)また、今回、埋立地や海岸部で多かった地盤沈下による家の傾きは、基準として3度以上で全壊判定になるようです。
以上、大まかな概略まとめでしたが、他に気になった詳細部分についてはQ&A(損保ジャパン)から抜粋します。いずれにしても、この先の想定外に対処するため、これからは入っておいたほうがいいんでしょうね、地震保険。
■地震による火災に関して・・・地震保険では、地震による火災の損害は全額補償されません。地震保険は、ご契約の建物・家財ごとに主契約(火災保険)の保険金額の30%~50%の範囲内で決めていただいた保険金額を上限に補償されます。ただし、建物は5,000万円、家財は1,000万円が限度となります。
■家財の補償に関して・・・地震保険では、地震等を原因とする保険の対象である居住用の建物または家財の損害を補償しますが、自動車、貴金属、宝石、書画等で1個または1組の価額が30万円を超えるものなど、対象外となるものがあります。
■母屋以外の損壊二間して・・・塀や門のみの単独損害など建物の主要構造部に損害がない場合は、地震保険の保険金は支払われません。