#室設計
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がんばれ日本①
一ヶ月経ったのですこしずつ・・・
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=heh5ITmYbRs[/youtube]
これ、宮城県仙台市にある「せんだいメディアテーク」のリアルタイムの震災動画です。
人的被害はなかったようですが、建物としては建築、設備などに多くの被害がでたようです。
今回、この動画で注目したいのが、単に揺れがひどいとか長いとかではなく、
このような施設の共通の問題である、
「大空間の天井の揺れ方」です。
この動画、始まって大体2分後くらいからその状況がはっきり映し出されています。
建物の揺れ自体は徐々におさまっていきますが、
天井だけがゆっさゆっさと揺れ続けています。この動きには改めて驚かされました。
天井が一体となって建物の揺れとは別に動き続けています。
実はこのあと、詳細はわかりませんが、実際に天井が崩落してしまったようです。⇒レポート
下のは、4年ほど前にここに訪れたときに撮った写真ですが、
もちろんこの時はまだ美しい姿を保っていました。
ランダムに配置された照明が特徴的です。
この建物に限らず、今回の地震ではいたるところで天井の崩落が起りました。
九段会館など人的被害があったところもありましたが、
そのほとんどがホールや駅などの大空間の天井です。
最近の大きな地震では必ずといっていいほど天井落下の被害報告がされていました。
2001年の芸予地震での体育館の天井、2003年の十勝沖地震では空港の天井、
そして今回と同じ2005年の宮城県沖地震ではプールの天井が落下しています。
この事例以外でも地震による天井落下事故は全国各地で起こってきました。
なぜこういう事故は起こり続けるのでしょうか?
これらの原因のひとつに、天井などの2次的部材に関する耐震の設計基準が
明確にされてこなかったという一面があります。
これまではガイドラインや指針といった形での施工基準が存在していましたが、
その内容としては大きく次の2点が挙げられます。
①天井下地(吊ボルト)に振れ止めを施す
②天井と壁の間にクリアランスをとる
以前撮った写真の中に偶然その部分(②のクリアランス)が写っていました。
空調の関係でしょうか、エキスパンションのカバーのようなものでおおわれてますが、
これをみると200mmは離れているように見えます。
確かに、この動画でもわかるように、このクリアランスがあったため、
壁との衝突が回避されているのが確認できます。
もしこのクリアランスがなかったら、天井全体がすごい勢いで外壁のガラス面に衝突し、
おそらくもっとひどい状況になっていたかもしれません。
とにかく、このような対策がとられていてもこのクラスの地震が起これば
天井の崩落はまぬがれないということですませていいのでしょうか?
システム天井などでは天井落下を防ぐいろいろな試みがされてはいますが、
一般的な建築の天井についても、もっと根本的な対策を考えなければいけないのかもしれません。
ぶら下げたままでいいのか?揺れることを前提にしてていいのか?
究極な話になると、必要でなければ「天井はいらない」っていうことでもいいのかもしれません・・・。