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#室設計 #設計

がんばれ日本②

「7階は中央執務室を囲むようにロビーがある。天井の仕上げは各階で異なるが、7階は12.5mmの石膏ボードを2枚重ねていた。南側の天井は8m×50m程度と細長い。最上階なので揺れが大きく、外壁か何かと接触して破断し、崩落したとも考えられる。吊りボルトで固定していたが、金物がちぎれるようにして壊れていた部分もある。根元のクリップが開いてしまったところもあった」 これは、先日、天井が崩落した「せんだいメディアテーク」の調査報告の一部です。 やはり50mもの天井が一体になって揺れたことを考えると、どこかで壁と衝突したであろうことは想像に固くありません。また、吊ボルトの金物が破断したり、開いてしまってたりと、この構造の天井はやっぱりこれまでと同じ現象で壊れていたことになります。あまり見る機会は無いと思いますが、大空間の天井の中はこんな感じになっています。 簡単に言うと、屋根などの躯体から吊ボルトによって天井がぶら下がっています。通常はこの吊ボルトが整然と規則正しくならんでいるのですが、地震などによって外力が加わると、このようにバラバラな形になってしまします。この状態からさらに揺れが加わると、破壊したり崩落したりすることになります。 このような構成で天井の下地は成り立っていますが、クリップが開いたり、吊ボルトが破断したりというのは相当な揺れと衝撃があったと考えられます。その要因のひとつとして「石膏ボード2重貼り」の自重、この重さが揺れを増幅した可能性もありますし、また、建物と天井の揺れの周期によって共振がおこり増幅されたかもしれません。このようない様々な原因が考えられますが、根本的なところでは、やはりぶら下がったものは、最終的には落下するわけで、天井自体の必要性や、構造自体の改変などを考えなければならないでしょう。 建設会社による耐震天井開発 建物自体の耐震設計では、建物の損傷はあっても人命にかかわる崩壊はないという主旨に成ってはいますが、 天井などの2次部材で実際に人的被害が出ている状況においては、それらを回避する方策を考えていかなければならない時期なのかもしれません。