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#室設計 #設計

がんばれ日本⑥

東日本各地の美術館は震災の影響をモロに受けているようです。保険がかけられている美術品は、こういう状況下ではそう簡単に展覧会も開けない状況のようで・・・。 こちらの真っ白な外観は青森駅から程近い「青森県立美術館」です。 この美術館は地震の影響はそれほど影響は受けなかったようで、4月の早いうちから再開していたようです。新幹線も再開し、残り少ないGWはやっぱり青森で決まり?? 設計は、青木淳建築計画事務所 青木淳さん。設計コンセプトは以下のとおり。 青森県立美術館は、隣の「三内丸山縄文遺跡」の発掘現場から着想を得て、設計されました。発掘現場のトレンチ(壕)のように、地面が幾何学的に切り込まれています。その上から白く塗装された煉瓦の量塊が覆いかぶさっています。上の量塊の下の面も、凹凸を見せています。土の上向きの凹凸と量塊の下向きの凹凸が、まるで並びの悪い歯列かのように、気ままに、隙間を持ちながら噛み合わされています。これがこの建築の基本構成です。 こうしてこの美術館は、古今東西まったく存在したことがなかった展示空間を獲得することになりました。それは、量塊のなかに設けられた真っ白な「ホワイトキューブ」の展示室隙間と土の床や壁が露出する隙間の「土」の展示室が、対立しながらも共存する強度の高い空間です。そこで展覧会が催され、土の床や壁はその度ごとに部分的に壊され補修されていきます。私は、年を経て、やがてパッチワークのような味が滲み出していくことを期待しています。 美術館の中も白い世界。サインもとてもかわいらしいです。 ビジュアルデザインは菊地敦己さん 美術館のシンボルマーク、ロゴタイプをはじめとする総合的なビジュアルイメージを設計するヴィジュアル・アイデンティティ(VI)を考えるにあたり、普通のやり方とは少し違う方法を試みました。シンボルマークは「木」と「a」をモチーフにしています。このマークを単体でというよりも、パターン(繰り返しの群れ)として展開し、美術館のシンボルとしていく方法をとりました。つまり、「青い木が集まって森になる」という成長を描いています。建築の外観に設置されるサインも、館名を表札的に入口部に掲げるのではなく、ネオン管でつくられた30センチほどのマークが多数並んだパターンとして配置されます。建築と一体化した情景がアイデンティティとなる設計です。色彩は、空色と建築で用いられている土壁の茶色を選び、周囲の環境との調和を図りました。美術館全体の体験をイメージとして伝達していくことが大切だと考えています。 ロゴタイプやサインの書体は、水平・垂直・斜め45度同幅の直線だけで構成されたオリジナルフォントです。これはサッカー選手のユニフォームの背番号や、道路標示の「止まれ」等のシンプルな構造の書体がもつ「わかりやすさ」から着想を得ており、ロッカーの番号や消火器表示に至る細かい部分まで徹底して統一されています。 奈良美智さんの常設展示もあります。スロープの先にはショップやカフェも。 地層を切り込んだ広場の上に、白い固まりが浮いたように見えます。 今頃の青森は、季節的にも最適な旅行日和ですね・・・。 青森県立美術館 〒038-0021 青森市安田字近野185 TEL 017-783-3000 FAX 017-783-5244 http://www.aomori-museum.jp/ja/