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1.座面が高い理由とは? 車イス対応便器は座面が高く設定されています。多目的WCには大体この便器が設置されているので、使われた方もいると思いますが、なんせ便座が高く足をフンバレないので、一般の方にはあまり評判がよくないようです。実はこれ、車イスの座面高さと合わせるためといわれていますが、車イスからの乗り移りがしやすいというもっぱらの理由以外に、不自由な人(自分)が実際に使ってみてわかったもうひとつの理由をここに発表いたします。 足の怪我の場合には、足に荷重をかけられない「免荷」という状態があります。これは簡単にいうと、普通に立ってはいけない状態のことです。立っているということは足に負荷がかかっている状態なので、それすらダメですよという事なんです。しかし、便器に座るとどうしても地に足をつけてフンバリたくなりますよね。それを回避するのに便座が高いと床に触れるまではいっても、荷重がかかる所まではいかないので、ひと安心となるんです。 実はもうひとつ、「高くて良かった~」という理由があります。ヒザを曲げれない患者の場合(今回の私の状態)片ひざをのばしたままの状態で便器に座らなければなりません。これ、実は軽い コサックダンス状態 なんですが、これはちとツラいので、同じ「高原骨折仲間」のF先輩に相談してみると、やはりボクと同じように車イスをそばに寄せて〈ひざのばシート〉に足を置いているとのこと。これは車イスと同じ高さだからこそできる芸当なのです。このように患者によっていろんな場面があるので、高さが合っているといろいろと対応可能になるってことなんですねぇ。 2.EV内のカガミって・・・? これって何のためにあるか知ってますか? 正直なところ、みだしなみには便利かな?くらいにしか思ってなかったEV内のカガミ。実のところ、福祉型対応として認定されているエレベーターには必須のアイテムだったのです。 実際にEVに乗る時、ひとりだけなら問題ないのですがほとんどの場合、誰か他に人が乗っているので、基本的にEV内でUターンして向きを変えるのは至難の業です。(つ~か、それはかなり迷惑なヤツになります。)なので、一般的には前進して乗り込み、出るときはそのままバックで降りることになります。付き添いの人がいる場合はいいのですが、ひとりで乗る場合、そんなときにはこのカガミが大活躍なんです。 まず、目的階に着くとフロア側に人がいないかどうかをこのカガミで確認します。次に扉に当たらないようにこのカガミをみながらうまくバックしてすり抜けるといった具合です。その時、EVの扉が閉まって挟まれてしまうのでは・・・・という非常に大きなプレッシャーと戦いながら、しかも同乗者への気配り感を存分に発しながら、すばやくそして的確にこの場面をクリアするにはこのカガミはマストアイテムなのです。特に、病院によくある寝台用のEVは奥行きが長いのでコレがないと、とても大変なことに・・・・・なると思います。 ■壁、まもります。 ベッドの移動などで壁によく傷がついてしまうことがあります。これを防ぐため、壁にストレッチャーガードをつけたり腰壁をつけたりしますが、より簡単にかつ目立たずに防ぐのがコレ。   病室のベッド下になにやら長いヒモが打ってあります。壁際10cmのところの床に、15mm角ほどの角材(実際は樹脂製の既製品)を当てるだけで、それ以上ベッドが壁に近づかないので、壁が傷むことがありません。駐車場の車留めの要領ですネ。お金をかけて壁に対策を施すよりも安価でスマートな解決策なので、住宅なんかでも可動の家具対策としていろんな所で使えるかもしれません。 4.スライドする開き戸?? これは福祉対応商品として各社製品化されているようですが、やはりよく考えられています。引き戸が取り付けられない限られた場所で、より幅の広い開口を得られますし、折れ戸の要素もあるので場所をとらず車イスからでも楽に引き手を握ることができ開閉がスムーズにできます。   ここでは病室専用の個室WCのドアに採用されていました。場所をとらずに広いスペースを確保できるので、車イスでも利用できるWCになっています。しかし、開け方が特殊なため、「押す」「引く」などの操作方法を分かりやすく表示する必要があるようです。漢字の読めない子供が誤ってひとりで入ってしまうと、閉じ込められて パ・パ・パ・パニック!! になるので、要注意。 5.立掛けときたいんですけど・・・? 点滴に関しては、天吊式の点滴レールや可動式の点滴キャスター、さらにベッドにも車イスにも装着できるポールなど、いろいろと置き場所も考慮されていますが、一方、松葉杖はしいたげられているのかなかなかしっくり落ち着く場所がありません。どこかに立てかけておいても、忘れたころに必ずといっていいほど大音量と共に倒れてしまいます。 実は「転ばぬ杖」って商品あるんすね・・ 倒れない松葉杖ってないもんでしょうか?2本を合体させて自立するようなのを空想してみましたが、ちょっと無理がありそうで。(3本なら出来るかも?)せめてベッド周りで安心しておける場所があればいいと思いませんか?例えばベッド自体に杖ホルダーみたいのが装着できるような仕掛けなんかがあれば便利だと思うのですが・・・。 6.自閉症のハンガー引戸 バリアフリー対応としてハンガー引き戸は確かに有効です。床段差もなく、また車イスから座ったままでも開閉可能です。しかしそんな万能選手でもすべてを兼ね備えているわけではありません。ハンガー引き戸には全開状態を保っておくストッパー機能があります。扉を最後まで持って行くと開けっ放しになるあれです。車イスに乗ったまま扉を開ける場合、扉幅が大きいのでとても全開位置まで扉を持っていくことができません。適当にスッと開けると、閉まりたがりのハンガー君はすぐに閉まってしまいます。今度はストッパーをかけてやろうと、おおよそその位置を予想して、チカラを加減しながら扉を押し開けても、そんなにうまくかかるはずもなく、強すぎたり弱すぎたりで、何度も繰り返してそれでもまた扉が戻ってきたりして、か~なり イラッ・・・ とすることしょっちゅう・・・。 どんな開け方をしても全開位置で必ず止まるストッパーとか、人の動きにあわせて扉がゆーっくり戻る人感自閉機構なんか開発できないもんでしょうか?(でもそれってオートドアなんですよね・・・) ■洗面台のマエダレーナ 前垂れって何のためにあるんでしょう?わずか10cmくらいの立下りなのですが、実はこれがかなりのクセモノなんです。   今回2タイプの前垂れ付洗面台に遭遇しました。ひとつは車イスが台下にはいる事を想定して台下高(H=700)を確保したものの、洗面高さがひどく高く(H=800)使いにくいもの。もうひとつは洗面高さは標準的(H=720)なのですが、前垂れのため車イスが入らないもの。どっちも使いにくいモノでした。一般的には、洗面台は普通立ったままで使いますが、病院や高齢者施設などではそうとも限りません。イスに座ったまま、車イスや歩行器のまま、いろんな状況が考えられます。配管や支持金物などカウンター下の醜いトコロを隠すためだけに使いづらくなるのなら、前垂れって必要ないと思うんですが・・。 (実は、最近では車イスの方がそれに対応しているようで・・手掛けの部分が一段下がっている車イスも出ているようです。) ■それでも「Shall we タンス?」 病室内でベッド周りの限られたスペースには、一般的に床頭台とオーバーテーブルそして収納家具が置かれています。しかもそれらのほとんどがキャスターの付いた可動式となっていて、狭い領域の中で自分の使いやすいようにカスタマイズできるようになっています。   しかしこの「限られたスペース」だけはどうしようもありません。引き出しのあるタンスなんかは、奥のモノも出し入れがラクでいいんですが、その分、手前に引き出すためのスペースが必ず必要なので、手前には何も置けなくなってしまいます。しかも幅もあるので、置いたとしても大幅に移動させなければいけません。観音開きや戸幅の小さい開き戸であればまだ使えますが、奥行きの深い引き出し収納はどうにも使いやしません。やはり、この状況下ではタンスは「使えないヤツ」になってしまいました。