遠賀グループホーム
福岡県の北部地域を流れる一級河川の遠賀川。その支流となる西川という川を見渡せる場所に、グループホームの計画が始まりました。目の前に広がる絶好のロケーションを活かしたプランニングとなりそうです。
大きな川の側道には気をつけなければいけません。今回も前面道路が一般的な公道ではなく「河川管理道路」という国の管理する道路ということが判明。
これは基準法上の道路とはみなされず、許可を受けなければ建物を建てられないことになります。幸い今回は市も推奨するグループホームという施設ということもあり、なんとか43条の許可申請で事なきを得そうです。
平成18年、長崎の大村市で起こったグループホームの火災で多数の認知症の老人が亡くなりました。その後消防法が改正され、それまで延面積1000㎡までは設置義務がなかったスプリンクラーが275㎡を超える施設にまで拡大されました。しかし今までのような専用タンクをもつタイプではなく簡易型の「特定施設水道連結型スプリンクラー」というものでも可能。
コストはかかることにはなりますが、運営側からすれば、それで安心を得られるのであれば安いもの、命にはかえられないのだそう・・・そりゃそうですね。
要介護度にもよりますが、ほとんどの入居者はお風呂にはいるには介助が必要なようです。限られた空間での効率性を考慮して一人用の浴槽に両側から介助できるようなレイアウトとなりました。また、浴槽はしっかり浸かれる深めのもので、ズリ落ちないように中に手すりが付いたものを採用。また、移乗から入るため、浴槽高さにあわせた移乗台を浴室の奥側に設置することになりました。しかし、実際はスタッフさんたちがいろいろな工夫をして使いやすいお風呂になっていくんだと思います。
できあがってみると、いろんな意見がでてきますね。順番を考えると、まず体を洗ってやって浴槽に入れる場合はカランの方から入るには浴槽の手すりが邪魔ではいりにくい・・・いわれてみれば確かにそうです。それだと3方エプロンの浴槽の方がよかったのかもしれません。また、両側から介助することはあまりないとのことで、であれば浴槽を壁付きにし、洗い場を広くとってあげるべきだったのかとも思いますが・・・実際使い方はいろいろあるようなので、これといった正解はないのでしょうけどね・・・