インナーガレージの家S
製鉄の街、八幡。かつての賑わいは薄れてきましたが九国大の移転などで少しずつ活気が戻ってきつつある駅周辺界隈。その一角から少し離れた閑静な場所にこの住宅は建っています。
一面だけが道路に面している敷地で、中庭プランやスキップフロアなど敷地を活かせる計画を提案してきましたが、最終的には内部空間を充実させる方向へと進みました。
ご家族は幼稚園に上がる前のかわいいお姫様とデザインに興味を持つ旦那さん、そして家族をしっかりまとめる奥様の3人家族。その若夫婦はたいへん趣味が多く、旦那さんは休みの日には愛車を積んでサーキットに向かう本格派バイクレーサー、一方普段はアクティブな奥様も、実は「茶道」という落ち着いた趣味をお持ちでした。そんな趣味を充実させるべく、実用的なインナーガレージや現代的な茶室を取り入れるといった趣味が色濃く反映された住まいとなっています。
最近ではめずらしくはなくなりましたが、寝室と浴室の隣り合わせプラン。いろいろと使い勝手が良いプランニングではありますが、2階に浴室がきてしまうとまた話は別。1階キッチンとの家事動線が遠くなる問題が発生しましたが、奥様いわく、こちらのほうが洗濯の取り込みから収納までが楽なのだそう。確かに言われればそれもそうで、まさに目からウロコの発想でした。
一方、旦那さんの方は廊下の一部をうまく利用して自分だけの書斎コーナーの確保に成功。壁に穴を開けることで、吹抜けの開放感とリビングとのつながりがとれたのがよかったですね。しかしまだまだ好奇心旺盛のお姫様のために、階段にネットを貼ったり、ドアにストッパーを付けたりで、これからもいろんなカスタマイズが進みそうです。