
中間保育園
昔々、遠賀川からの運搬と治水のために造られた人工の川、堀川。ここ中間市からたどっていき水巻町、折尾を通って最後は洞海湾まで続いています。そんな歴史のある水路に面した場所にこの保育園はあります。大きい川と水路に挟まれた立地で、さらにさかのぼって大昔の氾濫や鉱道などの地盤への影響が心配されました。
200名近くの園児を預かる中間市ではかなり大きい保育園です。かなり大きな敷地ではあるものの、各保育室の広さと数さらには園庭の広さも確保しなければならないとなるとボリューム構成が決まってきてあまり余地のない計画でしたが、その条件が功を奏して「建物の下をくぐって登園する」というこの保育園のひとつの特徴につながりました。この配置により防犯の面でかなりの効果があり、また近隣にたいする音の問題にも有利に働きました。
また余地の少ない計画の中、園長先生の肝いりスペースが廊下をふくらましてできた「読書コーナー」です。本棚がベンチになってヨミキカセもできます。陽が降り注ぐ明るい丸窓は園庭を見下ろせます。
お寺が運営する保育園ということもあって、仏さまの教えをもったすばらしく行儀のいい園児たちがいっぱいいます。完成式典では選抜された立派な園児さんたちから感謝の言葉をいただきました。3年間、本当にがんばってよかった仕事でした。