聞名寺本堂新築工事
北九州市の八幡西区浅川、閑静な住宅地にある「聞名寺」の本堂の建て替え新築工事。新しい本堂と納骨堂を併設した寺院建築です。新しい時代に合ったお寺のあり方や納骨やお墓の運営の仕方など、新しい試みが多く盛り込まれたお寺です。設計のとりかかりから約2年をかけてようやく完成にたどり着きました。
本堂の内陣には旧寺院から移設された宮殿須弥壇が3体が座り、二重に組まれた立体格天井と壁面に配置された納骨壇が特徴の現代的な本堂構成です。天井一面に配された立体格天井は寺院建築手法を現代的にしたもので、間から照明の光が落ち、空間の迫力を生み出しています。また大きな壁面全体に配された納骨壇は一枚一枚の扉の枠を消すなど全体が一枚の絵画に見えるように工夫されています。ここに訪れる参拝者を厳かに迎える神聖な空間となりました。
外壁には菱形に葺いた金属板を使い、金絲で織り込まれた和文様の金襴を模した特徴的な壁面としました。光が当たるときらびやかに輝き、影になると落ち着いた渋みが残るピースひとつひとつが様々な表情をみせる印象的な建物となりました。またはね出した端部の壁は4.5m×5mの金色の額に縁取られたキャンバスです。これから企画される「壁画プロジェクト」で、いろんな作家さんがいろんな表現活動を繰り広げるでしょう。
2階にはそれぞれ特徴的な納骨室が3室あります。その中でも「ガラスと鏡と光」で永遠と続く世界観を表現した納骨室はとても印象的。床壁天井を反射する黒で覆われ、納骨されたガラス玉と阿弥陀様が彫られたガラス位牌がさまざまな照明によって照らし出されるとても神秘的な納骨室となっています。